年代不詳
石幢ですが 六地蔵の石幢とは違って 仏頂尊勝陀羅尼幢と呼ばれる石幢です
松阪市の善福寺でも見かけたことがあります
その時は 大きな石塔やなあ としか思わなかったのですが
そういえば 成願寺でも よく似た大きな石塔があったなと 今日はそれを確かめにきたのです
竿部に刻まれた文字を見て 仏頂尊勝陀羅尼幢 というものなのか と納得しました
帰ってからネットの中を調べてみました
如来の特徴をあらわす三十二相八十種好の一つに頂髻相があります 仏さんの頭頂は肉髻といって肉が高く隆起して髻のようになっています その肉髻に宿る功徳を仏格化した仏さんが仏頂尊です 仏頂尊の中の一尊である尊勝仏頂に捧げられる陀羅尼が仏頂尊勝陀羅尼です この陀羅尼も陀羅尼自体がそのまま釈迦の仏頂をあらわすとして仏尊と同一視されています
仏頂尊勝陀羅尼はそれほどありがたい力を持った呪文だということで 今昔物語の中にも次のようなお話がでています
ひとりの公達が二条大路を夜毎通っている彼女の元へと急いでいると 神泉苑の前に差しかかったところで 百鬼夜行の群れに出くわしてしまいます しかし乳母が襟の裏に縫い付けてくれた尊勝陀羅尼の霊験により 百鬼夜行の群れは退散してしまったとさ
仏頂尊勝陀羅尼経の中では仏頂尊勝陀羅尼は幢などの高い所に安置すべきしと定めています それがこの仏頂尊勝陀羅尼幢なのですね
阿弥陀さんの光背に放射光が刻まれていることがありますが それと同じように 高い石幢の龕部から仏さんの頭光が発せられているイメージでしょうね
石幢にしては大きいのも そんな理由からのようです
龕部の一面にだけ胎蔵界大日の種子 आः アーク が陽刻されています
ここからも見えています 大きな石幢です
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