年代不詳
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下垣内のバス停から堀抜橋で伊勢地川を渡って
すぐのところで右手に延びる小道に入ります
その小道が伊勢本街道の古道です
集落の裏を五分ほど歩いて そろそろ舗装された本街道に合流すると言う場所に
下垣内庚申堂の覆屋が立っています
覆屋の中には丸彫りの地蔵さんと青面金剛さんが立っていて
その周囲を小石仏が囲んでいます
覆屋の外には双体仏と並んで六地蔵石幢が立っています
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地蔵さんの腰の辺りで断裂してしまっていますが 重制石幢の龕部です
他の部材は寄せ集めたもののようです
大洞石に刻まれた地蔵さんは 痛みがひどく持物も何も判別できませんが
枠取りをせずに真っ平らな面から刻み出されたとおもわれる地蔵さんは
肩に豊かな張りを持っていて なかなかボリューム感があります
伊賀の石幢に彫られる地蔵さんらよりも
上多気や下多気の石幢にみられる地蔵さんに近いかと感じます
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今では鄙びた旧街道の面影を残す石名原宿ですが
人が歩いて旅をした頃には 参宮客などで賑った道だろうとおもいます
宣長も菅笠日記の旅では ここ石名原宿で一泊しています
おもしろいお話なので 少し引用しておきます
さて今日は 多気まで物すべかりけるを 雨いみしうふり 風はげしくて 山のうへゆくほどなどは みの笠も吹はなちつゝ ようせずは 谷の底にもまろびおちぬべう ふきまどはすに 猶ゆくさき 聞ゆるかひ坂もあなるを かくてはえこえやらじとて 石な原といふ所にとまりぬ
宣長さんも雨と山道続きの伊勢本街道には辟易としたようで 多気までの日程を諦めてここ石名原で一泊しています
榛原の宿で「難路やで無理はやめななはれ」と言われたのに 来迎寺の(松阪の人なら知っているあのお寺)の戒言さんが 「ようけの人が行くんやで それほどのことはないわさ 足さへあったら行ける行ける」と言うので 散々な目にあったわけです
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