室世古の六地蔵石幢 多気町丹生

貞享元年(1684)

丹生市場の六地蔵石幢から大師道を再び丹生大師の山門まで戻ってきました
この道は古の和歌山別街道です 街道は山門の前で直角に北に曲っていて 数十メートル進んだ四ツ辻で再び東に曲がって長谷に向かいます 近長谷寺のある長谷の在所です 
街道の四ツ辻の少し手前にはやはり東に曲がる小路があって その角に石灯籠と並んで六地蔵石幢が残っています

少し時代が下って貞享元年の銘があるといいます 竿に刻まれた『丹生室世古中』の文字をなんとか読むことができます
伊勢では路地のことを「世古」と呼ぶように 街道を近道する脇道として利用されていたのでしょう この石幢はずっとこの場所から動いていないということなので 墓地に立って死者を苦しみをから救済する六地蔵とは違い 当初から和歌山街道の辻で行路の旅人を見守った地蔵さんだろうとおもいます

中台にシャグジが載せられて いつの間にか辻の塞の神の役割も負っているようです
近所の御婦人に伺うと やはり街道を旅する道中の行き倒れを供養するもので いまでも地蔵さんの祭りをしていると話しておられました

 参考書籍

「勢和村史資料編」P636 勢和村

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