仲楽寺の六地蔵石幢 津市安濃町太田

室町時代

安濃川の左岸に広がった田園は 南北に伸びる河岸段丘に遮られてしまって
田園と低い丘陵との境目に沿って集落が広がっています
車で不用意に在所の小道に入り込んでしまうと 進退きわまってしまいそうで
ずいぶん離れた場所に車を捨てて しばらく在所の中を歩きました

仲楽寺は明治時代に廃寺となって その旧境内地が今は会所になっています
半丈六の本尊は平安時代後期の定朝様式の阿弥陀坐像で県の指定文化財になっています

境内の奥に1メートルほどの高さの六角の石柱が立っています
単性の六地蔵石幢です
旧安濃町内に六地蔵石幢は四基が確認されていて
草生仲之郷の恩仲寺にも ここの石幢によく似た単性の石幢が残っています

伊勢から松阪や嬉野あたりに見られる単性石幢と同じ系統のものに見えます
この辺り神宮の御園が多かった地域なので そういった繋がりが関係しているかもしれません
摩耗が進んでしまい 辛うじてこの角度からなら なんとか地蔵さんの姿が窺えます
ここ数年の間にも 像容はさらに判別しにくくなったようにおもえます

一見完品の様に見えますが 反花座を失っている様です

参考書籍

安濃ふるさと101話 安濃町史編纂委員会 P160
安濃町史通史編 P854

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