室町中期 後期

津市美杉町八知
温泉で有名な榊原にも「八知山」と呼ぶ地名がありますが
やはり「谷地やち」から転じたもののようです
その名の通り美杉町八知は雲出川の上流域に沿って周囲を山地に囲まれた盆地にあります

県道から少し入った仲山神社前の小さな御堂の中に
二基の石幢が立っています
左側の背の高い石幢は室町中期
右側は室町後期のものと言われています

三重県下の六地蔵石幢は 伊賀盆地南部から多気 丹生など およそ参宮の街道に沿って伊勢の平野部へと分布しています 江戸時代に入ると伊勢や二見で爆発的な流行を見ますが それまでのほとんどは重制石幢でしたから 左の石幢のような室町中期の単性石幢は 津市美里町家所に似たものが一基ありますが 全体の流れの中ではやや異色の存在と言えそうです

右側の石幢のまん丸い笠石は後補で 幢身の下部はよく見えませんが 重制石幢の龕部だけが残ったもののようです 舟形の光背の中に像の輪郭を更に深く彫りくぼめていて 他にはあまり見られない彫り方です
参考書籍
「美杉の文化財」P14 美杉村文化財専門委員会編




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