白衣観音祠の六地蔵石幢 松阪市辻原町

年代不詳

平成の合併までの旧松阪市内に重制石幢は残っていないと思っていました
古い資料の中には小野町の無量寺墓地に龕部が残されているとありますが
これは残念ながら既に散逸しています
ところが住民協議会が作成したウォーキングマップを眺めていると
辻原町に六地蔵石幢らしき記事を見つけて さっそく出かけてみました

松阪の市街地を抜けて166号線を20分ほど走って 
辻原町信号交差点から阪内川を渡って集落に入っていきます
集落の中の公民館と並んで立派な覆堂があって
中に小さな観音さんと重制の六地蔵石幢が立っています

基礎から宝珠まで全ての部材が揃っていますが
龕部以外は花崗岩で作られた後補で 龕部だけが溶結凝灰岩に彫られた当初のもののようです
枠取りのない平らな面に地蔵さんが薄肉彫りにされています
頭の周囲に円光背が線刻されています
持物はよく見えませんが 美しい地蔵さんです 

石幢の隣に置かれた白衣観音さん文久年間に辻原の豪族の幼い女の子が亡くなりその供養に建てられたと伝わっています

ここに来るまでに通った国道166号線が旧和歌山街道
阪内川を渡って川の上流に向かって延びる道は宇気郷を経て美杉に続く阪内道です
この石幢は阪内道に沿った美杉由来のもののように思えます 

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